Label|Reprise / Producer|Chas Chandler / Art Direction|Bruce Fleming / Nationarity|USA / Running Time|40:07
180G 重量盤 UK盤
1. Purple Haze (7:00)
2. Manic Depression (5:10)
3. Hey Joe (4:10)
4. Love Or Confusion (6:50)
5. May This Be Love (3:10)
6. I Don't Live Today (9:25)
7. Wind Cries Mary (7:00)
8. Fire (3:20)
9. Third Stone From The Sun (6:44)
10. Foxey Lady (3:19)
11. Are You Experienced? (4:14)
「爆音のなかのメランコリー、医大なる作曲家の全貌、US版ならではの最強5連発」
『ビートルズから始まるロック名盤』 中山康樹 (2013年) 廣済堂新書 :引用
ジミ・ヘンドリックスの67年に発表したデビューアルバム。ここでは、US版の内容を記載してます。
UK版には、「Purple Haze」「Hey Joe」「Wind Cries Mary」が含まれていない。US版ならではの、最強5連発です。爆発と抒情が入り乱れ等身大のジミヘンと対峙している様な感覚を抱かせる。音質では、97年ヴァージョンがギターの音も際立ちベストと言える。
James Marshall Hendrixは今日もなお、オーラを放つ人物である。
彼の自然を超越したようなエレキギターの恵まれた才能と巧みに効果音を操る技法は、やはり卓越している。彼の演奏により、Eric Claptonのようなミュージシャンが全盛期だったころの楽器(ギター)の使い方もが、劇的に変わってしまった。
サイケデリック、ブルース、ファンクを融合した音楽、数々の偉大な曲を生み出す作曲能力、ホワイト(白人の)ロックの世界に現れた傑出した黒人ミュージシャンの出現、そして奇妙なダンディズム、そのすべてが60年代ロックの常識を覆すものだった。よって、「Are You Experienced」がこれまで最も偉大なデビューアルバムのひとつになったことは驚くに値しない。
1977年に再リリースされ、リマスターされたCD盤は、初代エンジニアEddie Kramer監修の下で、3枚のシングル(粗削りなアシッド (ハウス?) クラシック「Purple Haze」、最初のヒツトシングルで英国6位に入った「Hey Joe」、柔らかい印象の「The Wind Cries Mary」)と、それにB面が追加されている。ロックの歴史上、ほんの断片に過ぎないが、すべての曲が未だに消えることなく聴くものを興奮させ夢中にさせる力を持っている。
(しかし)初盤には、つなぎ?穴埋め?のような曲はない。
熱狂的な「Manic Depression(躁うつ病)」は絶望感を深め、また「I Don't Live Today」も同じくJimiの彗星のような(短く儚い)人生の軌道を予感させている。かなりの力作である「Third Stone From The Sun」は、ディストーションボイス(がなり声)のボーカルとサイケデリックなジャラジャラとなる(ギター)音が特徴である。
「Are You Experienced」は、逆回転ドラムとムチ打たれたように破裂するギターにより、典型的に既成概念を覆すような疑問を投じている。
「Red House」はJimiのブルースの素晴らしい演奏能力や、そのブルースフォームの完全理解を示している。必聴だ。
Are You Experienced? etc